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- 作者: 中勘助
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1984/12/17
- メディア: 文庫
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「・・・いつぞやの手紙にあなたは私のあなたに対する愛情を盲目的といったね。・・・“無条件”と訂正しておいたつもりだ。・・・私はいかにあなたがかわいくともそのためにあなたの招待を見損なうようなことはいやだ。ただあなたの招待がどんなであろうともそのままがかわいいというのだ。」p155
「あまりに焦燥であることはかえって自ら求めて事を壊すような結果になるからくれぐれも自重してほしいと思う。すてばちやせつな主義などはよしてちょうだい。」p166
「現在ぶつかった問題に全力をつくして善処しなさい。・・・もうすこししんねり強くおなりなさい。・・・もうすこし隠忍自重ということもしなくちゃいけない・親の懐ろに眠る小鳥が羨ましいって?いつでも私にはそういうつもりでいらっしゃい。このあいだそうじゃなかった?晩。私のほうではそうだったのに!」p183-184
「どうせなにもかも私の膝の上でやっているいことだ。」p185
「もっと寛闊になるよう心がけなさい。」p188
「あなたが生まれたことは私に大きな幸福だった。あなたとくらしたことは私に大きな幸福だった。あなたのこれまでにない静かな最後の顔をみたことは私にせめてもの慰めだった。妙子や 三十五年は長かったね。」p200